「保育園から熱の連絡が来た。でも、夫婦ともに仕事を抜けられない……」
共働きで子どもが急に発熱すると、看病だけでなく、職場への連絡やお迎え、受診、翌日の勤務調整まで一気に考えなければなりません。「また自分だけが休むの?」と、夫婦の気持ちがすれ違うこともあります。
結論からいうと、「母親だから」「収入が低いほうだから」ではなく、子どもの状態と当日の仕事の調整可能性で決めるのがおすすめです。どちらか一方が休んだ日は、もう一方が連絡や家事を引き受け、翌日以降の交代も一緒に決めましょう。
まずはこの3つだけ
- 子どもの様子を確認し、必要なら医療機関へ相談する
- 夫婦で「今日の担当・連絡係・明日の見通し」を決める
- 勤務先に早めに連絡し、使える休暇や勤務調整を確認する
子どもが急に熱を出した朝、最初にする4つのこと
1.仕事より先に、子どもの状態を確認する
最初に確認したいのは、誰が休みやすいかではなく、子どもが今どのような様子かです。呼びかけへの反応、呼吸の様子、水分が取れているか、顔色などを見て、受診や相談が必要か判断します。
意識がはっきりしない、呼吸が苦しそうといった緊急性の高い様子なら、仕事の調整より救急対応を優先してください。迷う場合は、夜間・休日に小児科医師や看護師の助言を受けられる小児救急電話相談「#8000」もあります。実施時間は地域によって異なります。詳細はこども家庭庁の案内で確認できます。
2.迎えに行く人と看病する人を決める
保育園・学校からの呼び出しなら、まずお迎えの時間と移動手段を確認します。お迎え担当と、その後に看病する担当は同じ人でなくてもかまいません。
たとえば「近くで働く人が迎えに行き、もう一方が午後から仕事を切り上げる」と分ければ、片方だけが丸一日抱えずに済む場合もあります。ただし、子どもの症状や移動の安全を最優先にしてください。
3.勤務先には見通しが立つ前でも早めに連絡する
「今日休めるかまだ分からない」ときも、まず事情を伝えましょう。休暇の種類や引き継ぎ、途中退勤・時間単位休暇の可否を相談できます。感染症名や病状の詳細を必要以上に職場へ広める必要はありません。
4.今夜、翌日の担当をもう一度話し合う
朝の段階で「明日も必ず出勤できない」と決めつける必要はありません。受診結果や子どもの体調、園・学校の登園登校基準を確認し、夕方に翌日の予定を更新すると決めておくと、朝の混乱を減らしやすくなります。
夫婦のどちらが休む?判断する5つの基準
休む人を決めるときは、役職や収入だけで優劣をつけないことが大切です。当日の条件を並べ、夫婦が納得できる組み合わせを選びます。
| 判断基準 | 確認すること |
|---|---|
| 子どもの状態 | 受診や付き添い、継続した見守りが必要か |
| 仕事の調整 | 急な欠勤・早退・勤務交代が可能か |
| 移動と時間 | どちらが早く迎えに行けるか |
| 使える制度 | 子の看護等休暇、年休、時間単位休暇などの条件 |
| 最近の負担 | 前回は誰が休んだか、仕事と家庭への影響が偏っていないか |
「今日休める人」と「いつも休む人」は別の話です。今日たまたま片方が休みやすくても、それを次回以降の固定担当にしないことが公平さにつながります。

看病の分担は「休む人」と「支える人」のセットで決める
看病のために欠勤した人が、夕飯の用意やきょうだいの世話まで全部引き受ける必要はありません。家にいることと、家事をする余裕があることは別だからです。
分担の例:夫が休む日
- 夫:子どもの見守り、受診への付き添い、症状や医師の説明の共有
- 妻:帰宅後の食事準備や買い物、きょうだいの世話、翌日の職場調整
- 夫婦:夕方に体調を確認し、明日の担当と代案を再相談
これは一例です。妻が休む日には役割を入れ替えてもよいですし、仕事の終了時間や体調に合わせて変えてもかまいません。家事の細かい指示を休んだ側だけに求めず、休まなかった側も自分で必要なことを考えるのがポイントです。
お互いの生活リズムも調整したい場合は、関連記事「夫婦の生活習慣を無理なく合わせるコツ」も参考になります。
仕事を休むときに使える「子の看護等休暇」とその他の制度
子どもの病気による欠勤では、年次有給休暇だけでなく、子の看護等休暇が利用できる場合があります。2025年4月の制度改正で、対象となる子の範囲などが広がりました。
| 項目 | 子の看護等休暇の基本 |
|---|---|
| 子どもの年齢 | 小学3年生修了まで |
| 取得日数 | 対象の子が1人なら1年度5日、2人以上なら10日 |
| 取得単位 | 原則、1日単位または時間単位 |
| 利用場面 | 病気・けがの看護、予防接種、健康診断、感染症に伴う学級閉鎖等、入園・入学式や卒園式 |
| 給与 | 有給・無給は会社の規定による |
法定の取得日数は労働者ごとに定められています。夫婦それぞれが対象であれば、それぞれの勤務先で制度を確認できます。日々雇用される労働者は対象外で、労使協定がある場合は週の所定労働日数が2日以下の労働者が対象外となることがあります。また、業務の性質などによって時間単位取得に例外がある場合もあります。
注意:看護等休暇=有給とは限りません
法定の子の看護等休暇は、休暇中の賃金支払いまで一律に義務付ける制度ではありません。欠勤扱いとの違い、給与、申請先は勤務先に確認してください。会社独自の有給の看護休暇がある場合もあります。
急な発熱時は、まず口頭で申し出て、必要な書類を後から提出する方法も認められています。詳しくは厚生労働省「子の看護等休暇」をご確認ください。
そのほか、勤務先に制度があれば、年次有給休暇・時間単位年休・フレックスタイム・時差出勤・在宅勤務なども検討できます。ただし、在宅勤務は看病の代わりになるとは限りません。子どもの年齢や症状、仕事の内容によっては、勤務と看病の両立が難しい場合があります。
どうしても仕事を休めない場合の代案4つ
1.夫婦で半日ずつ、または時間帯で交代する
「午前は一方が受診に付き添い、午後はもう一方が帰宅して見守る」といった方法です。両者の勤務先が途中退勤や時間単位の休暇に対応できるか確認しましょう。移動や引き継ぎに時間がかかることも見込んでおきます。
2.病児・病後児保育を利用する
自治体などが実施する病児・病後児保育は、子どもが病気のときや回復途中で通常の集団保育が難しいときの選択肢です。病院や保育所等に付設されたスペースなどで預かる仕組みがあります(こども家庭庁の制度案内)。
ただし、発熱していれば必ず利用できるわけではありません。対象年齢・症状・診察の要否・空き状況・事前登録・利用料金・持ち物は施設や自治体で異なります。子どもの負担や安全も考え、利用の可否を施設に確認してください。
3.祖父母や地域の支援に相談する
祖父母などに頼む場合は、本人の意思や体調、感染のリスクを踏まえ、無理にお願いしないことが大切です。地域のファミリー・サポート・センターも選択肢ですが、病児への対応可否は地域や実施事業によって違います。当日すぐ利用できると決めつけず、事前に登録条件などを確かめておきましょう。
4.代案がなければ休暇を取り、翌日以降の負担を調整する
預け先が見つからないときは、無理に出勤することだけを目標にしなくてもかまいません。使える休暇制度を確認し、子どもの安全を確保したうえで勤務を調整します。その日に休めなかった人が、次回の調整や家事を引き受ける形にすると、一方だけが背負い続ける状態を避けやすくなります。

職場と夫婦への連絡はどう伝える?そのまま使える例文
職場へ欠勤を相談するとき
おはようございます。子どもが今朝から発熱し、看病が必要な状況です。本日は子の看護等休暇、または利用可能な休暇の取得について相談させてください。担当している○○の状況は共有します。明日の勤務については、子どもの様子を確認して改めてご連絡します。
休暇の種類が決まっていない場合は、「まず欠勤の可能性を伝え、制度を相談する」という順序でも構いません。社内の連絡ルールに合わせて調整してください。
夫婦で分担を相談するとき
子どもの熱が上がってきたから、まず体調を見て受診するか決めたい。ぼくは午前中なら調整できそう。今日はどの時間が難しい? 午後や明日の担当も一緒に考えよう。
例文はあくまで提案です。「そっちのほうが休みやすいでしょ」と決めつけず、まず相手の仕事の事情を聞き、自分ができる対応も同時に示すと、話し合いが具体的になります。
発熱が長引くときは「翌日以降の交代表」を作る
急な発熱は1日で落ち着くとは限りません。翌朝またゼロから相談しないために、勤務予定と看病担当を見える化しておきましょう。
| タイミング | 決めておくこと |
|---|---|
| 発熱当日 | お迎え・受診・見守りの担当 |
| 当日の夕方 | 翌日の仕事と看病の交代可否 |
| 翌日以降 | 病児保育の利用可否、休暇残日数、交代案 |
| 回復後 | 今回の負担を振り返り、次回のルールを更新 |
「今回は夫が2日休んだから、次回は必ず妻が2日」と機械的に同じ日数へそろえる必要はありません。重要なのは、休暇日数だけでなく、連絡・移動・家事・仕事への影響を含めて偏りを見直すことです。
よくある質問
Q.子どもが熱を出したとき、母親が休むものですか?
いいえ。性別だけで担当を決める必要はありません。子どもの状態と夫婦それぞれの仕事の調整可能性、これまでの負担を基準に決めましょう。
Q.夫婦ともに子の看護等休暇を使えますか?
それぞれが制度の対象となる労働者であれば、各自の勤務先に申し出られます。日数や有給・無給の取り扱いは各勤務先の規定も確認してください。
Q.熱がある子どもを留守番させて出勤してもよいですか?
年齢や症状によって必要な見守りは異なります。とくに幼い子や体調が不安定な子を一人にして出勤することは避け、保護者や適切な支援者が安全を確認できる体制を優先してください。医療的な判断に迷うときは医療機関や#8000へ相談しましょう。
Q.病児保育に預ければ、必ず出勤できますか?
必ずしもそうではありません。定員や受け入れ条件、当日の子どもの状態によって利用できないことがあります。休暇の代案として考えつつ、利用できなかった場合の担当も決めておくと安心です。
まとめ|「どちらが休む?」の前に、夫婦で仕組みを決めよう
子どもの急な発熱は、どちらかが仕事を軽く見ているから起こるものではありません。夫婦それぞれに仕事の責任があるからこそ、責め合うより先に具体的な対応を分けることが大切です。
次の発熱に備えるチェックリスト
- 夫婦それぞれの子の看護等休暇・給与条件を確認する
- 保育園・学校の緊急連絡先と迎えの担当を共有する
- 病児保育の登録方法と利用条件を確認する
- 「当日の休む人・家事を担う人・翌日の交代」を一緒に決める
まずは今夜、夫婦それぞれの職場で使える休暇を5分だけ確認してみてください。 いざという朝に、落ち着いて子どもに向き合うための準備になります。
※制度の記載は2026年10月21日時点の公表情報をもとに作成しています。自治体・施設・勤務先ごとに条件は異なります。この記事は一般的な生活情報であり、個別の医療・法律判断に代わるものではありません。
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