共働きなのに、家事がどちらか一方に偏っている。
そんな不満を抱えていても、いざ分担を決めようとすると「何を、どこまで、誰がするか」が曖昧になりがちです。
共働き夫婦の家事分担は、次の4ステップで始めましょう。
①家事をすべて書き出す
②負担を見える化する
③準備から片付けまでの担当を決める
④1週間試して見直す
家事の数を半分にすることより、二人が納得でき、どちらも休める状態を作ることが目的です。
共働きの家事分担で最初に決めたいこと
家事分担の話し合いは、担当者を決める前に「困っていること」と「どう暮らしたいか」を共有するところから始めます。
たとえば「夕食後に片付けが残ると寝る時間が遅くなる」「休日は二人とも自由な時間が欲しい」など、生活上の具体的な問題を言葉にすると、相手を責める話になりにくくなります。
内閣府男女共同参画局の『○○家作戦会議』でも、日々の家事や育児を書き出し、夫婦で分担や理想の暮らしを話し合うシートが公開されています。自分たちだけで整理しにくいときの参考になります。
ステップ1|家事を『名前のある仕事』と『見えない仕事』に分けて書き出す
料理、洗濯、掃除だけを書き出しても、実際の家事負担は見えません。買い物の前に在庫を確認する、学校の連絡を読む、洗剤を補充するなど、誰かが気づいて判断している作業も含めましょう。
| 分野 | 見える作業 | 見えにくい準備・管理 |
|---|---|---|
| 食事 | 買い物、調理、食器洗い | 献立決め、在庫確認、食材の期限管理 |
| 洗濯 | 洗う、干す、たたむ、しまう | 洗剤補充、衣替え、洗濯表示の確認 |
| 掃除 | 床掃除、風呂掃除、ゴミ出し | 道具の補充、ゴミ分別、収集日の管理 |
| 子ども関連 | 送迎、食事の世話、持ち物準備 | 学校行事の把握、予防接種等の予定確認 |
| 家計・連絡 | 支払い、各種手続き | 請求の確認、契約更新、家族の予定調整 |
すべての家庭に子どもがいるわけではありません。該当しない項目は削除し、自分たちの生活に必要なものだけ残してください。

ステップ2|家事の『数』ではなく『負担』を確認する
ゴミ出しと夕食づくりを同じ「1件」と数えても、時間や責任の重さは違います。次の4つの観点で整理すると、偏りが見つけやすくなります。
- 時間:1回にどれくらいかかるか。朝の10分と夜の10分は負担感が違うこともある。
- 頻度:毎日なのか、週1回なのか。短くても毎日続く仕事は負担になりやすい。
- 時間制約:出勤前や保育園のお迎えなど、時間を動かせない仕事か。
- 考える負担:担当者が覚え、判断し、ほかの家族に頼む必要があるか。
例として、洗濯を担当する人が「洗う」だけでなく、天候に合わせて干す、乾いたら収納する、洗剤を補充するところまで管理しているなら、その仕事は一連の担当として数えます。
家庭内で役割を背負いすぎて疲れている場合は、家庭で役割疲れをしないための考え方も参考にしてください。こちらは家族全体の役割へのプレッシャーを扱う記事で、本記事とは目的が異なります。
ステップ3|『お願いする人』をなくし、完了まで担当する
「何かやることある?」と毎回聞く形では、相手が仕事を探し、説明し、確認する負担が残ります。主担当を決めたら、準備・実行・片付けまで自分で判断できる形を目指しましょう。
| 家事 | 主担当の決め方の例 | 完了の基準 | できない日の代案 |
|---|---|---|---|
| 夕食 | 帰宅が早い方を中心に週単位で調整 | 献立・買い物・調理・片付けを明確に分ける | 冷凍食品や外食に切り替える |
| 洗濯 | 平日と休日で分ける | 洗う・乾かす・収納・補充まで | 翌日に回す、代わりに担当する |
| ゴミ | 曜日と担当を固定 | 家中の回収・分別・袋の交換まで | 出勤時間が合わない週は交代 |
| 日用品 | 在庫確認から購入まで一人が管理 | 不足を確認し、買って補充するまで | 共有メモに記入して代行 |
表は正解ではなく、話し合いのたたき台です。夜勤、長時間通勤、持病、育児や介護など事情によって、できることは変わります。二人が同じ時間だけ家事をすることを強制するのではなく、休息や自由時間も含めて不公平感が少ないかを確認してください。

ステップ4|1週間だけ試して、10分で見直す
最初から完璧な分担表を作ろうとすると、話し合いだけで疲れてしまいます。まずは一週間試し、週末に短く見直すほうが続けやすくなります。
- 今週、予定どおりにできなかった家事は何か。
- どちらか一方に、考える仕事や急な対応が集中しなかったか。
- 仕事・体調・子どもの予定の変化はあったか。
- 来週、ひとつだけ変えるとしたら何か。
分担表は評価表ではありません。「何回やったか」を競うのではなく、暮らしを調整するために使います。相手の方法に不満がある場合も、人格を責めずに『何が終わっていれば困らないか』を共有しましょう。
そのまま使える家事分担の話し合い例
不満がたまっているとき
「最近、平日の夕食と片付けで寝る時間が遅くなっているんだ。どちらが悪いかを決めたいわけじゃなくて、二人とも休めるように見直したい。今週の家事を一緒に書き出してみない?」
相手に負担が偏っていると気づいたとき
「洗濯って、洗うだけじゃなくて補充や収納まで考えてくれていたんだね。気づいていなかった。来週からぼくが洗濯全体を担当してみるから、やり方を一度確認させてほしい」
仕事の繁忙期に交代したいとき
「来週は帰りが遅くなる日が3日あるから、夕食の担当を相談したい。その分、週末の買い物と掃除はぼくが持つのはどう?」
相手が今すぐ話したくない様子なら、話し合いの時間を押しつけないでください。「いつなら落ち着いて話せそう?」と確認しましょう。
家事分担が続かないときの見直しポイント
『言われたらやる』状態に戻っている
担当者が毎回指示を待っていないかを確認します。カレンダー、チェック表、共有メモなど、家族が自分で確認できる仕組みを使いましょう。
家事のやり方に細かい違いがある
洗濯物のたたみ方や掃除の順番など、生活に支障がない部分は互いの方法を認める余地があります。一方で、衛生や安全に関わる基準は具体的に共有します。
そもそも二人とも時間が足りない
家事のやり方だけでなく、家事そのものを減らせないか考えます。献立を固定する、掃除の頻度を見直す、買い物をまとめるなど、追加費用がかからない方法から試せます。必要なら宅食や家事代行なども比較できますが、費用と継続条件は家計と相談してください。
家事分担と夫婦円満は別々に考えない
家事は単なる作業の分担ではなく、日々の時間と休息の配分にも関わります。内閣府の男女共同参画白書(令和2年版)では、献立や在庫の把握など、家庭内の管理を妻側が多く担っていた調査結果が紹介されています。これは当時の調査であり、すべての家庭の現在の状況を表すものではありません。
『手伝ってあげる』という考えから、『二人の生活を二人で回す』という考えに変えることが大切です。負担を見直した後には、感謝の言葉を具体的に伝える方法も参考になります。
よくある質問
家事は必ず半分ずつに分けるべき?
必ずしも50対50である必要はありません。仕事や体調、育児・介護の状況に応じて、時間・責任・休息のバランスを二人で決めましょう。大切なのは一方的に決めないことです。
夫婦のどちらかが家事が苦手な場合は?
最初は小さな仕事から始めても構いませんが、苦手を理由に永遠に担当しない状態は見直しましょう。必要なやり方を確認し、慣れるまで試行錯誤できる余地を作ります。
分担表を作っても守れない場合は?
『なぜ守れないのか』を具体的に確認してください。担当が曖昧、所要時間の見積もり違い、予定変更への代案不足などがあれば、責める前にルールを修正しましょう。
まとめ|今日やることは『家事を10個書き出す』だけでいい
共働きの家事分担を整えるには、家事の見える化、負担の確認、完了までの担当決め、一週間の見直しが役立ちます。最初からすべてを変える必要はありません。
今日できることは、二人の暮らしに必要な家事を10個書き出すこと。そこから、どちらかに偏っている仕事を一つ選んで話し合ってみてください。
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